第13回世界ソフトテニス選手権大会

2007年9月7日〜12日/韓国安城市国際ソフトテニスコート

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男子国別対抗戦観戦記

準決勝戦

国別対抗戦が始まる前までの日本チームは、シングルスで女子の中川選手の銅メダル、ミックスダブルスで上原・高川組の銅メダル、男子ダブルスで中堀・高川組の銅メダル、と地元・韓国チームの厚い壁に決勝進出を阻まれてきた形。そんな中、何とかこの国別対抗戦で優勝を狙いたいはずの日本チームだが、準決勝で韓国と並ぶ強豪の中華台北と当る組合せになっていた。その準決勝 、1番の花田・川村組が昨年のアジア大会ダブルスチャンピオンペアのヤン・リ組に完敗と言える内容で敗戦を喫する嫌なムードの中、2番シングルスの篠原選手もゲームカウント1−3まで リードされるピンチ。しかし、ここから逆転勝ちし3番の中堀・高川組につなぐと中堀組はすばらしい内容のテニスで3番勝負を制し、何とか決勝進出を果たすものの苦しい勝ち上がりで、 個人戦上位独占の韓国との決勝はかなり分が悪いと予想する人も多かったはず。

決勝戦

しかし、そこは“何か”を起こす日本男子チーム。
決勝戦、日本の1番は大方の予想を裏切り(?)中堀・高川組。相手は今大会ダブルスチャンピオンのキム ジェボク・キム ヒースー組でダブルス準決勝の再現となった形。この試合の中堀・高川組は、国内試合を含め何年もこのペアの試合を見続けてきた人でさえ“ここ数年見たことないような凄さ”と評する程の内容で相手を圧倒し4ゲームを連取する。しかし、ここから韓国ペアも猛追を見せる。特に前衛のキム・ヒースー選手は評判通りの実力を発揮しスーパープレーを連発し2ゲームを取り返す。流れが韓国に行きかけた7ゲーム目、中堀組が見ているこちらにまで伝わってくるようなすばらしい集中力を再度見せこのゲームを奪い日本が先勝。この勝利が実に大きかったように思う。これで日本は“いけるぞ!”と思い、エースが負けた韓国は“ヤバイ”と思ったのではないか。
続くシングルスは篠原選手と今大会ダブルス2位、シングルス3位のイ ウオンハク選手の戦い。イ選手の豪打に対し篠原選手の技で対するといったこの試合だが、ポイントとなったのは篠原選手のナショナルチーム内でも群を抜く体力だったと思う。屈強な体 とパワーを誇る韓国選手だが、篠原選手の体力はそれを上回り、「決められた!」と思ったボールを篠原選手がすばらしいフットワークで何本も拾いまくる。時にはダイビングしてでもボールをつなぐ執念も見せ1本が 決まるのにかなりの時間を要する展開に。やがてこの展開がボディーブローの様にじわじわとイ選手の体に効いて、終盤になると1本が終わるたびにベンチに座り込んでしまう様になる。試合はまさに“死闘”と呼ぶにふさわしい内容でファイナルゲームへ。
ファイナルゲーム、終盤からラケットが振れてきた篠原選手が一気に5−1と離しこのまま行くか!と思われたが、フラフラで倒れてしまうのではないかと思われたイ選手 がここから地元の意地(?)を見せ豪打が復活し5−5に追いつく。勝負となったのは次のポイント。オンラインのボールが双方合わせて何本も続き、そのたび観客から 大きな歓声が上がるような壮絶なラリーから最後にイ選手が左ストレートに放ったシュートがオンラインに見えた。日本応援団は凍り付き韓国ベンチは歓喜に包まれたが、結果はほんのわずかのサイドアウト。この1本でイ選手を支えていた“何か”が折れてしまったように、次の篠原選手のマッチポイント では簡単にネットして日本の優勝が決まった。その瞬間、篠原選手は両手を天高く突き上げ雄叫びをあげた。過去2大会、トップが負けた後に出場し3番手につなぐ活躍をしてきた篠原選手 だが、今回は自らの手で日本の優勝を決めるという強運も見せた。日本応援団席はあちこちで抱き合う姿や握手を交わす姿が見られ、最後は試合後の挨拶を終え整列した日本チーム・高川選手の先導で選手・応援団一体で万歳三唱(本当はもっとやった(笑))で 、みんなで最高の瞬間を共有した。
 

最後に

それにしても、やはり中堀・高川組は「日本のエース」なんだと実感させられた。凄み・オーラが明らかに他の選手とは違う。噂によると今回が国際大会は最後ということだが、あんな準決勝・決勝のような“すさまじい”試合を見せられたらまだまだ日本代表としてやってもらいたいと思わずにはいられない。今回一緒に出場した代表選手をはじめとする後輩達のためにも 、まだまだトップに君臨し続けていただきたい。そして、篠原選手にもぜひ二人のような選手に成長してもらいたいと勝手に願っております(笑)

試合編(画像随時追加)

※番外編はコチラ    ※スナップ集はコチラ

大会メイン会場 参加国の国旗が並ぶ。奥が正面ゲート
到着すると女子ダブルス決勝をやっていました。 凄い応援団と思ったら、某宗教団体の動員らしい・・・(汗)
施設への入り口のゲート 施設内の様子
国別対抗戦初日(準々決勝まで)
日本の初戦はポーランド オーダー表記載ミスで急遽誕生したトップの花田・高川組
2番シングルスは篠原選手
3番は中堀・香川組
2試合目はカナダと対戦。日本のトップは花田・川村組 2番シングルスは篠原選手
国別対抗戦・2日目(準決勝・決勝)
朝9時からの準決勝の相手は強豪の中華台北
日本のトップは花田・川村組
中華台北のトップはアジア大会ダブルスチャンピオンの楊・李組。カットサーブからのWフォワードがプレースタイル。
一方的にリードされ心配そうに花田組の試合を見つめるベンチ
厳しい状況に日本応援団も重苦しいムードが漂う
トップ敗戦の後のない状況での2番のシングルスは篠原選手。相手は林選手
一時はゲームカウント1−3までリードされるも逆転勝利 逆転し始める頃にはこんなガッツポーズも連発
3番手は中堀・高川組。完璧と言える内容のテニスで日本の勝利を決める
決勝の相手は地元韓国 満員の観客席(ほぼ韓国応援団)。お陰で写真取れず(涙)
優勝決定直後、歓喜に湧く日本男子チーム
男子表彰式
参加国の国旗を持ったスタッフが駆け足で入場し・・・
整列して後は選手の入場を待つばかり まずは銀メダルの韓国チームの入場
続いて金メダルの日本チームの入場 最後に銅メダルの中華台北チームの入場
女子表彰式
地元韓国が優勝した女子のセレモニーは男子とはうって変わってド派手な演出が!紙吹雪に花火!!

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